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医療トピックス[長野県版]

義務勤務医、26年には87人に 県の修学資金貸与

医療タイムス 長野県版 2017.03.31 
医療ニュース
 県の医学生修学資金貸与制度を利用し、義務年限により県内の医師不足病院などへ勤務する医師が2026年度には87人に達するとの将来推計が3月30日、明らかになった。専門研修と臨床研修を含めた義務年限医師数のピークは23年で162人となり、制度がスタートした2006年から順調に推移。一方で、貸与者の約1割が退学などの理由で取り消しになるなど課題も残る。
 同制度は、全国の医学生に対し、県内の公立・公的医療機関などで診療に従事することを条件に修学資金月額20万円を貸与するもの。貸与期間の1.5倍にあたる期間を「義務年限」として、県内の医師不足病院などで研修・勤務する必要がある。6年間貸与した場合は9年間の研修・勤務が必要だ。
 17年度は初期臨床研修18人、専門研修13人、勤務8人の計39人が勤務・研修を開始し、次年度以降も順調に増える見通し。制度全体では2019年度まで貸与する計画で、義務年限の医師数は23年に、勤務医師数は26年にそれぞれピークを迎える。
 ただ、貸与途中で取り消しになるケースも少なからずある。県医療推進課によると、2回の留年や退学、2回の国家試験不合格などの取り消し規定に基づき、貸与中止になったケースが累計で20件程度あるという。
 同日県庁で開いた県地域医療対策協議会(会長=久保惠嗣県立病院機構理事長)では、「貴重な財源を使う以上、(貸与者の)選定をきちんとするべきではないか」「やめる人の中には自分の専門性が保てないという声がある。地域でも専門性を追求できるようにする必要がある」などの意見があった。
 また「医師不足病院に安定的に医師確保できるよう、大学や中核病院が周辺の中小病院に継続的に人を出していくようなシステムの制度設計ができないか」などの提案もあった。
 県は17年度の医師確保等総合対策事業に5億1675万7000円を盛り込み、ドクターバンクや医師への研究資金貸与、修学資金貸与などさまざまな面から医師の確保・養成に取り組む。【4月3日号タイムスFax】
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