信大病院(本郷一博院長)は3月6日、台湾の高雄市立小港(シャオガン)病院と人的・学術交流に関わる覚書を締結した。スタッフの相互訪問や学術交流を通じて病院間の連携を強化し、相互の医療水準向上を図る狙い。同病院が海外の病院連携に関わる覚書を締結したのは初めてで、本郷一博病院長は「国を超えて交流することで刺激し合い、互いの医療レベルを高めることができる」と期待を寄せている。
小港病院は高雄医学大学に4つある附属機関の1つで、492床、20診療科の急性期病院。信大病院のほぼ半分の規模ながら、過去10年の論文数(IF5.0以上)は94編と多く、多くの学生実習を受け入れるなど地域の教育研究機関として大きな役割を果たしている。
信大病院のある松本市と高雄市が2015年に覚書を締結し、健康・福祉・教育の各分野で交流を進めてきた縁で、高雄市の行政関係者や小港病院スタッフらが同年7月と12月に信大病院を訪問。高度救命救急センターや先端細胞治療センターでの研修を受け入れるなどして交流を重ねてきた。昨年11月に小港病院のホウ・ミンフォン病院長らが再度来訪した際、人的学術的交流を中心に病院間の連携を進めたいとの意向があったという。
6日に小港病院で行った締結式には本郷院長ら6人が参加。2日間にわたるレセプションでは盛大な歓迎を受けたという。
すでに看護師2人が信大病院で研修する方針が決まっており、近く来訪する予定。今後は共同研究や学術面での情報交換、事務部門のスタッフも含めた人的交流を積極的に進めていく。【3月30日号タイムスFaxに掲載】