地域包括ケアシステムの中でのかかりつけ薬剤師・薬局の職能発揮を目指す「患者のための薬局ビジョン事業」。都道府県の取り組みを国がモデル事業として採択し、予算措置を行う試みで、県は17年度も引き続き「多職種連携による薬局の在宅医療サービスの推進事業」に応募する。無薬局地域での服薬支援や薬剤師おためし訪問など今年度同様の3本柱で進め、おためし訪問では、認知症・糖尿病薬服用患者への声掛けを重点的に行、訪問につなげる方針だ。
14日に長野市内で開いた「患者のための薬局ビジョン」推進会議で、県の委託で事業を行う県薬剤師会(日野寛明会長)の藤澤裕子副会長が事業の概要を説明した。
無薬局地域での服薬支援事業は今年度、南相木村1カ所での実施だった。しかし、県内にまだ多くの無薬局地域があることから継続し、お薬健康相談やミニ講演会などを行う。
おためし訪問事業は今年度一定の成果があったことからさらに深め、認知症治療薬と糖尿病治療薬の服用患者に、薬局で重点的に声を掛けて薬剤師の訪問につなげる。他職種から認知症患者の薬物服用が難しいという意見が多いことや、糖尿病を悪化させないことが国をあげての重点事業だとし、多職種連携を重要な課題として取り組む。同時に訪問患者へのアフターフォローも強化する…【3月16日号タイムスFaxに掲載】