県在宅医療推進全体会議は5日、松本市内で開き、在宅医療に関わる専門職や市町村地域包括支援センター職員ら約150人が県内在宅医療の現状などについて報告を聞いた。講演した国立長寿医療研究センターの三浦久幸氏は、県内では訪問看護の拡大率が大きい一方、2025年に向けた楽観的なシナリオでも今後の訪問診療・往診の需要増をフォローするのが難しいと指摘。診療所の供給不足を病院が補う形になるとし、在宅医療に参入していない医療機関も取り組むよう求めた。
県が昨年9月に公表した「在宅医療提供体制等調査」(調査期間2015年12月~16年2月)によると、訪問診療・往診のいずれかまたは両方実施している医療機関は全体の6割を占めたが、2025年の業態予測で「実施していない可能性が高い」とした医療機関が「実施している可能性が高い」とした医療機関を上回った。
一方、訪問看護ステーションは、8年後も9割以上が「在宅医療を実施している可能性が高い」とし、このうち3割強は規模の拡大も検討。25年を見据えた取り組みとして看取りや病診連携、認知症対策、リハビリなどの強化を挙げる事業所が多く、積極的に取り組もうとしている姿勢が明らかになった…【2月7日号タイムスFaxに掲載】