手術に使用した器具を患者の体内に残留させる事故を防ぐため、信大病院は昨秋、器具に2次元バーコードを刻印し術野への出戻り時にバーコードを読み取る新たな術中管理システムを試験的に導入した。リアルタイムに器具の数量確認ができ、術前後の器具カウントを省略できることなどから看護師の業務を効率化できる。計算上では1回の手術につき15分から30分の短縮が可能になるとした。信州メディカル産業振興会洗浄滅菌部会が3日に開いた講演会で、信大病院手術部の古畑貞彦氏が発表した。
信大病院では2013年から試験研究的にトレーサビリティの導入を進めてきたが、全国でも実施している医療機関はほとんどない。古畑氏は「病院では費用対効果の面でシステムの導入が難しい」とするが、工夫やアイデアで安全管理と費用面のバランスを整えてシステムを構築できれば、看護業務の合理化・改善につながり病院の医業収入にもプラスになるとする…【2月7日号タイムスFaxに掲載】