信大バイオメディカル研究所の柴祐司准教授（信大病院循環器内科）の研究グループが、サル由来のｉＰＳ細胞から作製した心筋細胞を心筋梗塞を発症した別のサルに移植する「同種移植」で、免疫拒絶反応を受けることなく心臓機能が回復したと発表した。研究成果は11日、英国の科学雑誌ネイチャーに掲載された。これまで、ヒトから作製した心筋細胞をモルモットなど別の動物に移植する「異種移植」の研究は行われてきたが、移植後の免疫拒絶反応を正確に評価できなかった。今回「同種移植」での治療効果を示したことで、罹患率・死亡率ともに高い心臓病治療の前進が期待される。今後は移植の副作用を軽減するための研究を進め、数年以内にヒトへの実用化を目指す…【10月12日号タイムスＦａｘに掲載】