米国の病院で形成された二重の権力構造
ハーバード公衆衛生大学院国際保健学部武見プログラムリサーチ・フェローの松田満和子氏によると、米国の病院では1960年代に二重の権力構造が形成されたのだという。専門職部門(医師の長―医師、看護師やコメディカルの長―看護師やコメディカルのスタッフ)、管理部門(経営陣―医事課の長―スタッフ)という構造だ。社会システムが官僚制へとシフトする中で、この構造ができあがったのだが、20年近く前から多くの組織でピラミッド型からフラット型への転換が問われている。官僚制の限界が長らく指摘され続けてきたとはいえ、特に大規模組織が官僚制を保持しているのは、きわめて合理的な統治システムだからだ。だが、チーム医療ではフラット型組織が機能しないと、各職種が専門性を発揮しにくい。社会学が専門の松田氏は「医療界には医療以外の分野からのアプローチが求められている」と主張するが、組織論に対しては経営学からのアプローチが必要なのだろう。(ぐるりん)
