漸進を始めた公団住宅の整備
公団住宅に住んでいると、あまりにも高齢者に厳しい造りであると感じる。まず1階の部屋があるフロアにあがるスロープがほとんどない。手すりも古いものでは今にも折れそうで、体重をかけるのが怖い。コンクリートの階段は急で、つまずけば大怪我につながる恐れがある。そして、全てのフロアにエレベーターが止まるわけではないので、ほとんどの住人は階段の利用を余儀なくされる―。60歳半ばに差し掛かる老親を持つ身としては、早く引越しをさせなければ、と絶望的な気持ちになる。
国土交通省と厚生労働省が連携し、公団住宅の再整備事業を始めている。高齢者世帯が安心して暮らせるように改装してもらえれば、引越しの手間も人間関係の再構築も心配せずに住む。「国民への住宅供給」を目指し誕生した公団住宅の役目は、性質が変わってもなお生きているのだ。多様かつ暮らしやすい整備を期待したい。(ハマッコ)
